股関節内旋制限があると腰椎の代償が起きる

はじめに

「ひねると腰が痛い」「体幹回旋で腰が詰まる」と聞くと、まず腰椎を見たくなります。もちろん腰椎の局所評価は必要です。ただ、そこで止まると股関節由来の代償を見落とすことがあります。

特に股関節内旋が出にくい人では、足りない回旋を骨盤や腰椎で補いやすいです。つまり、痛みは腰に出ていても、動きの入口は股関節かもしれません。この記事では、股関節内旋ROM、骨盤追従、腰椎回旋代償という用語はそのまま使いながら、臨床でどう見ればいいかを少し噛み砕いて整理します。

腰椎だけ回していないか

最初に見たいのは、「本当に腰だけの問題なのか」です。

股関節内旋制限 仙腸関節障害患者は症状側で骨盤後方回旋・股関節内旋制限が生じる(Cibulka 1998)
図1:股関節内旋制限 仙腸関節障害患者は症状側で骨盤後方回旋・股関節内旋制限が生じる(Cibulka 1998)

体幹回旋で腰が詰まると、腰椎回旋制限や体幹筋の出力不足に寄せて考えがちです。ただ、股関節内旋が止まっていると、身体は骨盤を早く逃がしたり、腰椎で余分に回したりして角度を作ります。だから腰椎回旋を見る前に、股関節内旋がちゃんと使えているかを一度確認しておくと、評価の入口を間違えにくくなります。

回旋は股関節から始まる

回旋動作は、腰だけで作るものではありません。股関節、骨盤、胸郭、足部が少しずつ分担して、全体として「ひねる」動きになります。

股関節回旋可動域 左右差の測り方
図2:股関節回旋可動域 左右差の測り方

その中で股関節内旋が早い段階で止まると、骨盤回旋や腰椎回旋で不足分を埋めにいきます。立位でひねる課題を入れると、この代償はかなり見えやすいです。腹臥位では内旋ROMが少ない。立位では骨盤が先に逃げる。さらに腰椎が過回旋する。こういう流れが見えたら、腰痛の評価でも股関節を上流として扱う価値があります。

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