
はじめに
しゃがみ込みで踵が浮く患者さんを見ると、股関節の硬さや体幹前傾の癖に目が向きます。ただ、足関節背屈が足りないと、重心を前へ運べず踵を浮かせるか体幹を倒すしかありません。今日はしゃがみ込み制限を、下腿後面の長さと足関節背屈から見直します。背屈制限は浅いスクワットでは目立たないことがあります。
しゃがめない原因を股関節だけで決めない。ただ、足関節背屈を最初に見るという一言だけで済ませると、評価の入口が狭くなります。

この記事では、下腿三頭筋短縮としゃがみ込み制限を局所の所見だけでなく、荷重条件、運動連鎖、代償動作の変化から整理します。医学用語は使いますが、目的はシンプルです。明日の臨床で、どこを見て、何を再テストするかを決めやすくすることです。
深くなるほど代償が出る
背屈が足りないと踵と体幹で代償する。背屈制限は浅いスクワットでは目立たないことがあります。深くなるほど脛骨が前へ倒れる必要が増え、そこで止まると踵が浮く、膝が前へ出ない、体幹を前へ倒すという代償が出ます。

どの深さで破綻するかを見ると、可動域の問題か制御の問題かを分けやすくなります。Beforeは、浅いしゃがみでは踵接地と体幹角度を保てる。Afterは、深くなると踵浮き・膝前方不足・体幹前傾が出る。この確認を入れると、最初に触る場所と最後に再テストする動作がつながります。