今回のテーマは「肩甲骨異常運動とその修正方法」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
肩甲骨異常運動っていうのは、名称の意味と同じで肩甲骨の動きが異常なことを示しています。
このような臨床経験はよくあると思います。特に肩関節疾患患者への運動療法実施時に注意すべきポイントになります。
「肩甲骨異常運動って知らない...」
「運動療法や徒手療法時に注意すべきポイントは?」
肩関節への運動療法だけではなく、体幹トレーニングの際にも肩甲骨には目を向ける必要があります。
では始めていきます!
肩甲骨異常運動(Scapular dyskinesis)
定義
肩甲骨異常運動はScapular dyskinesisといい、よく確認される臨床所見になります。
臨床の中でこのようなこと聞いたことないですか?
「肩甲骨が安定しない...」
「肩甲骨が不安定...」
肩甲胸郭関節の役割としては、安定(stability)の関節なのか可動性(mobility)の関節なのかという2つの選択のうち、安定性の関節にあたります。
狭義の肩関節、肩甲上腕関節(GH)の屈曲する際には、肩甲胸郭関節(ST)の固定や安定が必要になります。
その正常な運動学が変化したものを肩甲骨異常運動となります。
どのような人に多い?-有病率-
肩甲骨異常運動(以下:SD)は、ハンドボールやバレーボールといったオーバーヘッドスポーツに多いとされています。
オーバーヘッドスポーツは非オーバーヘッドスポーツよりも発症リスクが2倍
オーバーヘッドスポーツは、手が頭の上にあるスポーツであり、肩関節屈曲位の状態で内旋や外旋を行っています。その結果、投球障害肩やインピンジメント症候群といった障害に繋がってしまいます。
またSDは利き手に発症しやすいと報告されています。
投球側であったり、ラケットを握る利き手であったりと、可動性が必要になってくるため肩甲上腕関節の可動性低下は、代償的な肩甲骨異常運動を招くことにもなりえます。
臨床でのポイント①
臨床で見ていく3つのポイントがあります。
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