今回のテーマは「運動器疾患に応用できる呼吸の評価」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・機能不全の呼吸について理解できる
・実践的な評価方法を展開できる
・ドローインやブレーシングの前にアプローチできる

今回の記事は『運動器疾患の呼吸』についてです。

腰痛患者においても肩関節患者においても呼吸自体はどの患者でも同様に重要になります。生命に関わる部分でもあるため、呼吸自体の知識は必要です。

しかし、体幹の安定に呼吸?と思っている方もいるかもしれないですが、機能不全の呼吸をしていると姿勢の安定性も低下してしまい、メカニカルストレスを受けやすい体になります。

そのためにも正しい呼吸を身につけることが重要ですし、どのような呼吸が良くないのかを知っておかないといけないと思います。

特に運動器疾患における呼吸の重要性は非常に高いと考えているので、呼吸について知ってほしいため、始めていきます!


機能不全の呼吸

こちらが機能不全の呼吸一覧です。

1、胸式呼吸が優位
手を胸と腹部に置いて、どちらの移動量が多いのか確認しましょう。背位で確認すると目視で移動量が確認できます。
2、胸郭の拡張不全
理想的な横隔膜を使った呼吸は、腹部が前後左右にふくらみ、下部肋骨の横方向の拡張も確認できます。胸式呼吸が優位な場合は、上部肋骨の拡張が速く下部肋骨の動きが少なくなります。患者本人もカンタンに確認することができ、腹部の動きが少ないことも認知しやすい。
3、口呼吸
口呼吸は唾液分泌量が減少するため、虫歯や低位舌、歯並びなどに影響します。吸気も呼気も鼻で行えることが理想的です。
4、呼吸補助筋の過緊張
斜角筋や胸鎖乳突筋などの補助筋は、頭部前方変位でさらに緊張を増加させます。この部分と関連しているのが、上位交差性症候群になってきます。
5、肩甲骨の挙上
吸気時に僧帽筋上部や肩甲挙筋の収縮を使って上部肋骨を挙上させ、胸式呼吸を行う方もいます。
6、安静時呼吸数12-14回
横隔膜は心理的側面・心情との関わりが強く、通常の安静時呼吸数は約10-12回/分になります。異常の場合は呼吸数の増加が確認でき、深呼吸を
行った際にもスピードが速くなってしまいます。また結果的に呼吸を止めれる時間も短くなります。理想的には1分間に10回程度の呼吸です
7、頭部前方変位
頭部が前方に位置していると肋骨の動きが低下します。
8、パラドックス呼吸
胸郭と腹部の動きが異なる場合があります。吸気時に腹部が凹み、呼気時に腹部が拡張する。
9、過換気症候群
いわゆる過呼吸の状態であり、二酸化炭素が一時的に足りない状態。

これらの所見が複数あることは、呼吸の質が低下していることを示しています。

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