今回のテーマは「梨状筋の特徴-梨状筋症候群へのアプローチ-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回は「梨状筋」について共有していきます。
梨状筋は下肢の神経症状と関与していることがあり、腰部疾患を見ていくに重要な筋肉でありますし、股関節外旋筋群でもあります。そのため疼痛や症状の要因になり得ることも臨床的には多いと感じています。
なぜ梨状筋症候群は起きてしまうのか?
梨状筋症候群って臨床されているセラピストであれば一度は耳にするはずの病態であると思いますし、治療方法も知っている方もいらっしゃると思います。
梨状筋症候群を理解するには
・梨状筋の解剖と特徴
・梨状筋と坐骨神経の関係性
・梨状筋症候群のアプローチ
これらを網羅しておくと患者クライアントで対応したときに目の前で困ることは少ないのではないかと思います。
それでは本題に入っていきます!
では始めていきます!
股関節外旋筋群
股関節外旋筋群は大殿筋を中心とした殿筋と深層外旋6筋に分けることができます。
股関節外旋トルク
では股関節外旋筋群の中でどのようにトルクが発生しているのかを図として見ていくと臨床中もイメージしやすいと思います。起始停止により大腿骨を外旋させる方向や向きがそれぞれ異なるのがわかります。
今回はトルクの大きさ(矢印の長さ)は再現しましたが、まずは大腿骨をどのように外旋させるのかを理解してほしいです。
教科書的には股関節外旋の主動作筋は
・大殿筋
・中殿筋後部
・梨状筋
・上下双子筋
・内閉鎖筋
とされています。
股関節外旋の補助筋としては
・小殿筋後部
・外閉鎖筋
であり、モーメントアーム(矢印の長さ)は短く、方向や向きも回転させにくいことが図から読み取ることができます。
深層外旋6筋
体幹におけるローカルマッスルとグローバルマッスルと同じ考え方を股関節で当てはめると、大殿筋のような表層筋群をグローバルマッスル、深層外旋6筋がローカルマッスルになります。
ローカルマッスルの特徴としては深層に位置しているため、大腿骨頭を寛骨臼に引きつけるスタビライザーの役割があります。また深層筋は筋紡錘の密度が高く、感覚器としての機能も有しています。内外閉鎖筋と上下双子筋は関節包との連結があり、これらの機能が組み合わさり大腿骨頭を安定させることにつながっています。
ここからは深層の筋群の中で梨状筋について深ぼっていきます!
梨状筋
解剖
梨状筋は仙骨前面から大転子先端に付着している三角形の筋肉です。支配神経は仙骨神経叢(L5-S2)からの直接筋枝です。この支配神経がポイントで筋スパズム・筋攣縮が起きる要因になってしまいます。
梨状筋は大殿筋の深層に位置していて、PSISと大転子を結んだ線上に位置していることが多く、触診する際は坐骨神経が近くを走行しているため注意しています。
臨床においては"過緊張"を生じていることが多く、圧痛がとれることが非常に多いです。なぜ緊張が常に生じているのかを考えてみると運動療法に応用しやすいと思います。
機能
股関節外旋筋でもあり、大転子先端に付着するため股関節外転作用も有しています。
先ほども深層外旋6筋の部分でも説明した通りで、大腿骨を寛骨臼に引きつける安定化の役割があります。
特徴
ここからが梨状筋の特徴になります。
梨状筋のストレッチを実施する際に姿勢はどのように展開しますか?
イメージした時にストレッチの状態が頭に浮かぶと思いますが、これが言語化できていることが重要です。
なぜ股関節外旋筋群なのにあのような姿勢でストレッチをするのか?
また
梨状筋症候群の治療アプローチもどのように行うのか?
この辺りを共有しておきます。この内容を知っておくことで言語化できるようになり、他のセラピストより遅れを取らないと思いますし、必ず治療で応用することができます。
まず梨状筋の特徴ですが、
それは…
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