今回のテーマは「体幹の評価✖️モーターコントロール(腰椎の運動制御)」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・運動制御(モーターコントロール)を理解できる
・正しい動作を理解できる
・体幹への評価や運動療法に応用できる

今回は「腰椎のモーターコントロール」についてです。

腰椎のモーターコントロールは、日常生活の動作やスポーツ活動において、腰部の安定性と動きの効率性を保つために不可欠です。適切なモーターコントロールがなければ、腰椎は不必要なストレスや圧力にさらされ、慢性的な腰痛や怪我のリスクが高まります。特に、理学療法士として患者のリハビリテーションや予防策を指導する際に、腰椎のモーターコントロールの理解は治療成果を大きく左右します。

モーターコントロールと聞くと、反射的に「難しい」と判断して学ばない方もいると思いますが、知らないことで起きる問題も少なからずあります。

  1. 腰痛のリスク増加: 腰椎のモーターコントロールが不適切であると、腰部に過剰な負荷がかかり、筋肉の緊張や関節の不安定性が生じます。これが腰痛の主な原因の一つとなり得ます。

  2. リハビリテーションの効果低下: モーターコントロールの概念を理解していないと、理学療法士は患者に適切な運動や姿勢の指導ができません。その結果、リハビリテーションの効果が低下し、回復過程が遅れる可能性があります。

  3. 再発リスクの増加: 腰椎のモーターコントロールを適切に管理しないことで、治療後の再発リスクが高まります。特に、日常生活や職場での不適切な動作や姿勢が続くと、腰痛が再発しやすくなります。

  4. 予防策の不足: 腰椎のモーターコントロールに関する知識が不足していると、理学療法士は患者に対して効果的な予防策を提供することが難しくなります。これにより、腰痛の初発や再発を防ぐ機会が失われます。

このように、腰椎のモーターコントロールに関する深い理解は、理学療法士が直面する様々な課題に対処し、患者の生活の質を向上させるために不可欠です。

ということでモーターコントロールの理解を深めていきましょう!

では始めていきます!


運動制御とは?

運動制御はモーターコントロールといい、身体の動かし方を示します。運動制御不全というのは動作の異常であり、セラピストは動作を観察することが必須になります。

「どのような動作が異常になるのか?」
「どのような視点で見るのか?」

モーターコントロールを評価するには動作異常の理解と視点の理解が必要であり、知らない状態であればなかなか見極めることは難しくなります。前屈時に腰椎が屈曲してしまうことは非常に多いですが、腰椎へのストレスが増大します。脊柱を屈曲させることなく、真っ直ぐを保持できていれば運動制御が正しくできています。

しかし、ほとんどの患者やクライアントは脊柱を伸展保持させることは難しく、屈曲してしまう動作は運動制御ができていない動作になります。

動作自体は筋肉のみが関与しているわけではなく、関節・神経などのさまざまな要素が絡んでします。運動器疾患をよく見ている理学療法士は、筋力や可動域制限の影響を大きく考えますが、そのほかの要因も必ず存在します。

自ら視野を狭くしてしまうと治療効果がうまく出ないことも考えれるため、モーターコントロールの理解を深めておきましょう。

腰椎モーターコントロール不全

今回は腰椎のモーターコントロールであり、腰椎が過剰に動いてしまうことを指します。

動作を確認した時に腰椎の過剰な伸展、過剰な屈曲、過剰な回旋が生じます。腰椎の特徴的な内容としては、伸展回旋、屈曲回旋というような組み合わせもあります。

どの方向に動きが生じやすいのか、どの方向の動きが苦手なのかを把握して病態を絡めて考えることが重要です。

運動制御不全と腰痛

モーターコントロール不全の場合は、腰痛が起きやすくなります。特に伸展であれば椎間関節、屈曲であれば椎間板というように組織自体にメカニカルストレスが加わります。

腰椎分離症や椎間板ヘルニアのような疾患は、モーターコントロール異常における動作不良によって生じた結果であることが考えられます。

組織修復に加えて、モーターコントロールの修正を行なっていくことを治療アプローチに入れていきましょう。

制御不全の一例

どういった場合が運動制御不全であるのかが難しいため、よくある参考例を紹介していきます。

スクワット動作時に腰椎が屈曲してしまう方は屈曲方向のモーターコントロール異常が考えられます。腰椎屈曲方向の異常は、座位や立位、スクワットなどの動作全般で腰椎が屈曲しやすいことです。

腰椎椎間板ヘルニアの場合はこのような動作所見の方は多いと思います。前屈時の腰椎屈曲などが当てはまります。

これだけでは評価としては不十分であるため、他の動作所見や評価を組み合わせましょう。

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