今回のテーマは「健常者とは異なる横隔膜の変化-腰痛患者と加齢変化-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回は「腰痛患者の横隔膜と加齢に伴う変化」について共有していきます。
横隔膜は体幹の安定性に必要な筋肉でもありますが、随意的に収縮させることが難しい筋肉でもあります。
横隔膜の主な機能は2つあります。
体幹を安定させるのは②姿勢調節機能であり、横隔膜が収縮(下降)することで腹圧が高まり、姿勢が安定します。
しかし、このような機能は健常者にはありますが、腰痛患者であったり、高齢者にも同様の機能であるとは限りません。
今回は腰痛患者の横隔膜と高齢者のように加齢に伴う変化を知っておくことで横隔膜に対する考え方が変わって、体幹への治療アプローチを変えて欲しいと考えています。
では始めていきます!
横隔膜の前提知識
筋連結
横隔膜の起始と停止は腱中心と腰椎・肋骨・胸骨に付着しています。
画像で示している通りで横隔膜の筋肉部と腹横筋は筋連結しているとされています。腹横筋は随意的に収縮するとウエストを絞るように腹部を収縮させる機能があります。
腹横筋と横隔膜は互いに交差するように筋連結していて、互いに影響しあうことがわかります。
支配神経
横隔膜の主な支配神経はC3-C5の神経の横隔神経であり、4つの運動枝があります。
左右の横隔神経は走行が異なってきます。右横隔神経は大静脈裂孔の外側から走行しており、左横隔神経は心臓の外側縁から走行して腱中心に伸びていきます。
横隔膜自体の収縮は上腕二頭筋の収縮のように"収縮感"が生じない特徴があります。これは受容器の数が少ないことが関係しているとされています。
だからこそ横隔膜の機能が高いか低いのかの評価をアライメントや動作、他の筋肉の機能で判断しています。
加齢に伴う変化
横隔膜は筋肉でもあるため、加齢に伴う変化として萎縮が生じます。年齢が上がっていくと30%の筋力が低下すると言われています。
通常はドーム状であり、加齢によって横隔膜は平らになっていき、収縮速度も低下します。
機能自体が呼吸機能と姿勢制御機能であるため、横隔膜の機能低下で大きく影響する部分は姿勢制御の面になります。
というのは呼吸機能の低下は生命に影響してしまうため、呼吸機能は優先されやすく、反対に姿勢制御機能が下がり脊柱の安定性が低下します。
異常姿勢アライメントになりやすく、姿勢を修正する機能も低下してしまいます。
もう少し加齢に伴う横隔膜の変化と今回の本題である腰痛患者の横隔膜についてを深堀りしていきたいと思います。
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