今回のテーマは「広背筋の機能解剖とエクササイズ」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・広背筋の特徴を把握できる
・胸腰筋膜について知れる
・運動療法の効果を患者に提示できる
・実践的に運動療法が行える

 

 

今回の記事は「広背筋」についてになります。

 

広背筋は身体の中では大きな筋肉であり、腰椎や肩関節への影響も生じることになります。

 

では早速始めていきます!

 

広背筋

解剖

 

広背筋は、起始を多くの部位に持っています。

 

代表的な起始部としては、胸腰筋膜と肩甲骨下角の部分かと思います。

 

大きな筋肉でもあるため、肩関節や腰椎への影響が生じるのが特徴的になります。

 

 

胸腰筋膜

 

胸腰筋膜は、背骨の下部から仙骨にかけて、覆う筋膜のことを指します。筋膜とは、筋肉や内臓などを覆う結合組織であり、線維性の膜状の構造を持ちます。

 

胸腰筋膜は、腰椎や仙骨周辺の筋肉や臓器を保持し、支える重要な役割を持っています。胸腰筋膜が硬くなると、可動域が狭まったり、腰痛などの症状が現れることがあります。また腰部だけでなく、骨盤、肋骨、背骨などの広い範囲に及びます。そのため、胸腰筋膜の硬さや緊張度は、全身の姿勢やバランスにも影響を与えます。

 

筋肉や臓器を支える機能もありますが、血管や神経の通路としても働いています。例えば、大腿動脈や神経などが通っており、これらの組織を胸腰筋膜が保護しています。

 

2層モデルと3層モデルがあります。
今回は2層モデルについて共有していきます。

浅葉と深葉に分かれています。浅葉は下後鋸筋や大殿筋と連結していて、深葉は多裂筋を覆い内腹斜筋や腹横筋と結合しています。

 

 

そして胸腰筋膜の特徴としては以下のようになります。

 

・交感神経の密度が高い

・固有受容感覚に優れている

・伸展モーメントの強化

 

張力を発生させることで伸展モーメントを脊柱起立筋とともに産生しますが、場合によっては筋膜に硬さが生じてしまいます。

 

機能

 

広背筋は腰椎から上腕骨に複数の関節に付着しています。筋機能の分類としては、グローバルモビライザーに当たり、大きい筋肉であり、かつ動かす筋肉になります。

 

そのため、伸張性低下や筋萎縮が生じやすい特徴があります。

伸張性低下が生じると腰椎伸展が過剰になりやすく、また上腕骨頭前方変位などのアライメント異常につながることもあります。

 

 

伸張テスト

 

広背筋の伸張テストの評価方法としては、座位姿勢になり両手を合わせて肩を挙上させます。120°もしくは他動屈曲可動域まで自動で動かせない場合は、陽性になります。

 

座位姿勢で実施するのは、腰椎伸展の代償を限りなく少なくすることができます。

 

臨床的には伸張性低下している患者の方が多く、また腰椎伸展が過剰になる患者も多いです。

 

 

 

ここから先は会員限定です。

 

 

 

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。 ログインはこちら. 新規会員登録はこちら