今回のテーマは「運動療法を効果的にできるキューイング-臨床で使える方法とコツ-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・運動時の口頭指示の工夫ができる
・キューイングの種類を知って運動療法に応用できる
・効果的に運動療法が展開できる

今回の記事は『キューイング』についてです。

運動療法を患者やクライアントに処方する際に、必ず行うのが「キューイング」と言われる声かけです。どのようなエクササイズを行うにしても説明のためにも動作の獲得のためにも、必ず口頭指示が必要です。

なぜキューイングが必要なのか?

その理由としては以下が考えられます。

1、正確な動作の獲得
2、安全の確保
3、効率的な学習
4、ボディイメージの向上
5、コミュニケーションの強化

キューイングがあることで、複雑な動作の獲得や新しい運動の学習ができます。明確な指示があれば正しいフォームで行う事ができるため、効率的な学習を進める事ができます。
また指導者側のキューイングを受けて自身の身体で表現するため、ボディイメージの向上にもつながってきます。

これらがキューイングが必要になる理由ですが…

具体的にはどうやって臨床に使っていくのか?
という点が重要なポイントであると思います。

どのようや声かけがいいのか?
闇雲に指示を出せばいいのか?

この辺りって言語化できない事が多く、臨床では重要視している点になります。患者が変われば声かけ・キューイングも変わり、運動効果も変化すると考えています。

では始めていきます!


運動における口頭指示の注意点

運動やエクササイズを行うときにセラピストがどのように考えて口頭指示を行なっていますか?このときに闇雲に見つけれるだけの動作エラーやアライメント不良を言っていても、良いキューイングとは言えず、患者も困惑してしまうのが現状です。

運動実施時における口頭支持は…

要点を簡潔にまとめる事が重要です。口頭指示を多く与えてしまうとそれぞれの注意の意識が分散してしまい、結局は正しい運動やエクササイズを実施することは難しくなってしまいます。

もしスクワットをする際には、「身体を前に傾けて、椅子に座るようにお尻を下げてみましょう」と声掛けすると、文章も短く、端的になっているため理解がしやすいと考えています。しかし、それでもなかなかできないような患者もいるため、臨床で使っていくにはワンポイントの工夫が必要です。

口頭指示の工夫

口頭指示だけでは理解できずに、運動が実施できない患者が多いです。

自分が実際に行っている工夫は…

①徒手的に動きを伝える
→アライメントや正しいフォームの確認をするために触知して、重要な部位や箇所を相手に伝えます。セラピストであれば触って動作や姿勢を修正する事が非常に多い。

視覚情報を与える
→まずは正しい見本の動作やエクササイズを見ていただき、模倣してもらいます。その後に正しく模倣ができているのか・動作エラーがないのかを鏡を使って視覚的に情報を与えます。(フィードバックにつながる)

③動作を段階別に獲得する
→課題となっている動作自体が獲得しにくい動作である事が非常に多いため、動作を細分化してそれぞれの動作自体を獲得していきます。スクワットを例に挙げると、四つ這いのロックバック、膝たちのヒップヒンジのようにコントロールできる分節を増やしていくことで「与える情報」を少なくする事ができ、動作を獲得しやすくなります。

今までのキューイングが「与える情報」を多くしている場合は、工夫することで患者やクライアントの反応が変わってくると思います。また徒手的に動きを伝えることに長けているセラピストが非常に多いと思います。その反面、徒手的な誘導がなく複雑な動作の時に再現できないこともしばしば経験しました。

キューイングの種類

キューイングの種類としては2種類あります。

・Internal Focus
これは身体内部の一部に注意を向けるキューイングになります。
「膝が・・・」
「腹部が・・・」

・External Focus
インターナルフォーカスとは異なり、体の外部の注意を向けるキューイングになります。

言葉だけではなかなか理解ができないと思いますので、ここからは具体的な違いを共有していき、それぞれのメリットがわかるように進めていきます。

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