今回のテーマは「大内転筋の機能解剖と姿勢別のEx」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
理学療法において、大内転筋は股関節の安定性と運動において重要な役割を果たしています。しかし、多くのセラピストはこの筋肉の詳細な機能や効果的なエクササイズ方法について十分に理解していないことが多いです。そして、いざ股関節内転筋のエクササイズを取り入れていこうとしても…
「エクササイズが思い浮かばない…」
「次のエクササイズは?」
「今のエクササイズは疼痛があって難しい…」
などとなかなか展開できないこともあります。
特に変形性膝関節症との関連性や臨床での具体的なアプローチが十分に共有されていないため、治療効果が限られることがあります。
痛みがある患者に対してエクササイズを組み立てることは、理学療法士にとって大きな挑戦となります。痛みによる動作制限や不安感が、効果的なリハビリ計画を妨げることが多いです。
しかし、この記事を読むことで、大内転筋に対する理解が深まり、痛みを伴う状態でも適切なエクササイズを組み立てやすくなります。具体的な方法とその理論的背景を知ることで、臨床現場でのアプローチがより効果的になります。
では始めて行きます!
股関節内転筋群とは?
股関節内転筋群は、大内転筋を含めて恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋から構成される筋群の総称になります。健常の成人では、大腿部の筋群の体積の割合がおおよそわかっています。その中でも内転筋群は大腿部の約25%の筋肉量であると報告されています。
自分が思っている以上に”多い”と感じませんか?私はそのように思いました。というのは、多くの臨床の中で”股関節内転筋”にフォーカスすることはそこまで多くないと思います。
後ほど例にあげる変形性膝関節症では、反射性抑制が生じやすい内側広筋に着目することが多く、”股関節内転筋”は問題点として挙げるにしても治療アプローチの優先度は高くないことも多いです。
大腿部の体積の割合が、約1/4(25%)であれば、股関節運動において大きな影響力を生み出すことは容易に想像がつくと思います。
大内転筋の特徴
今回着目していく筋肉は、大内転筋です。恥骨枝・坐骨枝・坐骨結節から起始して大腿骨の粗線内側唇、大腿骨内側上顆に付着します。股関節内転筋群の中でも最も大きく、体積の63%を占めていると報告されています。
この報告から聞いても大内転筋の役割や機能が重要であると考えることができます。
解剖(神経支配)
起始自体が前方の恥骨・後方の坐骨結節、付着するのが内転筋結節であるため、大内転筋前部線維と大内転筋後部線維に分けることができます。
上記のように線維別で神経支配が変わってきます。
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