1.ACL損傷とは?

 

前十字靭帯(Anterior cruciate ligament:以下はACL)は、膝関節を安定させる4つの靭帯のうちの一つです。脛骨の後方から大腿骨に向かって付着する靭帯で、サッカーやバスケットボールなどでよく受傷してしまいます。

受傷時のパターンとして、非接触型・接触型(ノンコンタクト・コンタクト)に分けられます。

ACL損傷時に接触プレーがあったのか、なかったのかになります。

 

一般的にACL損傷は非接触型がほとんどです。(約70%を占めている)

非接触型ACL損傷は全体の70%

 

非接触型損傷

 

非接触型損傷の割合としてはこのように報告されています。

女性アメフト選手は非接触型ACL損傷が約60%

アメフト選手のACL損傷の70%は非接触型損傷

海外の論文は、アメフトであったり、バスケットボールやハンドボールの報告が多く、日本の状況とは少し異なるとも思います。

しかし、数字だけで見れば多くのACL損傷の中身は、非接触型が多いことがパッと見てわかると思います。

 

 

患者を見ていく時には、問診がとても重要になります。

問診時には

・コンタクトの有無

・対人競技の場合、オフェンスorディフェンス

・過去に経験しているのか

この辺りは確認しておくことが重要です。

 

性差

 

「ACL損傷は女性が多い」

なんてことは聞いたことあると思います。

こればかりはレビュー(報告)によると考えることができます。

1841例のACL損傷のうち、1096例(59%)は男性であった

これは、競技レベルや調査したスポーツ種目も関係があると思います。

 

ACL損傷の発生数は男性が多い、ACL損傷の危険性は女性が高い

 

このように覚えておいてください。

 

スポーツ種目別

 

スポーツ種目別のACL損傷の発生率は、調査した国によっても異なりますし、地域別によっても変わるものになります。

上図の調査報告では、バスケットボールとハンドボールの女性のACL損傷回数が多いことがわかります。

 

2.ACL損傷の危険因子

 

ACL損傷の危険因子というものがあります。

 

これは、〇〇があると損傷しやすい、〇〇があると損傷しにくいと言ったように危険因子を把握しておくことで、リハビリにおける運動療法の介入が必要になってきます。

その危険因子の中でも、修正できる部分と修正できない部分に分けられます。

 

 

 

ここから先は会員限定です。

 

 

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。 ログインはこちら. 新規会員登録はこちら