なで肩を言語化する

今回は なで肩 について言語化をしていきたいと思います。

見た目の状態が問題になっていることが多いんですけど、そこをしっかり身体を理解しながら進めていければいいかなと思います。

「なで肩」ってそもそも何?

なで肩 というのは、両肩が通常の姿勢よりも傾斜している状態になってきます。

特に見た目の状態で『あの人はなで肩だよね』『あの人はいかり肩だよね』みたいな形で、いわゆる猫背と円背姿勢と同じようなイメージかなと思います

なかなか臨床現場の中で「なで肩」に対して着目することは少なく、問題として捉える場合も多くはないです。

このなで肩の問題は見た目の問題だけではないです。ある程度の病態が絡んでいて、前駆症状とも取れる可能性があります。

なで肩の基準

なで肩の基準としては鎖骨傾斜角( 肩峰を結ぶ水平線と、鎖骨遠位端‐頸部を結ぶ線の交角)が約24.2°以上であり、視診ではなく角度で数値化したほうがいいはずです。

特に先天性や外傷性によるなで肩もありますが、筋機能性によって起きるなで肩であれば、リハビリにおける改善を図ることができます。

下垂肩症候群との関連

下垂肩症候群 DSS って聞いたことありますか? これは異常に低い肩の位置によって神経症状 が出る進行性の肩下垂で、胸郭出口症候群の前駆症状と言われています。

なで肩の状態が続く、もしくは進行していくと症状につながってしまいます。

筋力低下や姿勢不良によって異常姿勢が作られる、この問題を評価していくことで症状を改善させることができます。

  1. 骨格:肩甲骨 下方回旋 + 前傾

  2. 軟部組織:小胸筋・広背筋が“カーテンを引き下ろす”

  3. 神経血管:肋鎖間隙が狭まり TOS へ――

このような形でなっで肩から胸郭出口症候群へのつながりを解消させていきます。

肩甲骨が下方回旋、下制する要因としては軟部組織の小胸筋や広背筋の伸張性低下があります。

そのため伸張性改善のセルフケアとして小胸筋と広背筋に対して展開していきましょう。

評価の流れ

評価の流れとして以下の通りです。

⚫︎鎖骨傾斜写真計測 or スマホ角度計
「写真を一枚撮るだけで数値化できます」
⚫︎肩甲骨位置肩甲骨自動上方回旋テスト
「片手で上げてもらって120°で詰まるかどうか」
⚫︎筋長小胸筋距離/広背筋ストレッチテスト
「突っ張り感が強いなら短縮してるサイン」
⚫︎神経誘発ULTT, Roos test
「しびれが出たら要警戒」

症状として神経症状が誘発されていればULTTのようなテストをしていきます。

セルフケア

小胸筋

ストレッチポールを入れて結髪姿勢を作ることでより伸張させることができます。

広背筋

脊柱を後弯・側屈させていき、広背筋を伸張させていきます。