今回のテーマは「等尺性収縮とその他の収縮様式との違い-臨床で使える具体的な使用方法-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・等尺性収縮の特徴を把握できる
・評価にもエクササイズにも導入できる
・初期段階のエクササイズに使える

 

 

腰部疾患、肩関節疾患など疾患問わずに、運動療法の必要性は非常に高いです。治療アプローチとして、障害予防としてといったように現代社会でも欠かせなくなっています。ですが…

誰でも同じように運動療法を提供できるのか?

そんなことはないと思います。というのは、患者によっては疼痛が強い場合もある、可動域制限がある、姿勢変換ができないなどと条件が変わってくるため、運動療法を患者によって変えていく必要があります。

運動療法を展開していく際には、特に”疼痛”には注意を払っていく必要があります。それは、疼痛が出現するとエクササイズ効果が生じない可能性があり、また動作パターンも正常ではないかもしれません。運動療法によって【さらに組織にストレスが加わって疼痛が出現する】は良くありません。

等尺性収縮を理解すると運動療法の幅が広がり、疼痛があって今まで展開に悩んでいた方に対して展開できるようにと考えています!

等尺性収縮

 

等尺性収縮は「筋肉が収縮しても筋の全長に変化がない状態」と言われています。関節をある程度固定して500mlのペットボトルを持ち続けている状態であれば、上腕二頭筋の等尺性収縮になります。

他には、スクワット姿勢を保持することでの大腿四頭筋、膝関節を伸展位で保持することも内側広筋の等尺性収縮にあたります。このように日常生活にも多く含まれていることがわかります。

また等尺性収縮時の筋力を筋力測定として計測されることが多いです。

筋収縮の分類

 

等尺性収縮は、2つの筋収縮の分類に分けられます。筋収縮様式の分類と運動様式の分類になります。求心性と遠心性のように筋肉がどのように収縮するのか、またどのように運動が行われるのかを区別しています。

等尺性収縮を理解していくために、それぞれの収縮の違いについて学んでいきましょう。運動療法にどのように使っていくかを考えながら、まずは違いから把握しましょう。

 

収縮様式の分類

 

求心性収縮は筋肉の長さが短縮して、起始と停止が近づく状態のことを指します。膝関節屈曲位で伸展位になる椅子から立ち上がるときの大腿四頭筋が求心性収縮に当てはまります。その他にはテーブルにある水が入ったコップを、口までもいくときの上腕二頭筋なども相当します。

解剖学の作用としても最もイメージがつきやすい部分になります。そして最も運動療法を展開しやすい筋収縮であると思います。

 

 

遠心性収縮は筋肉の長さが伸張し、起始と停止が離れる状態を指します。膝関節を伸展させた状態から屈曲位になる椅子に座る際の大腿四頭筋が遠心性収縮の状態になります。求心性収縮とは運動方向が逆になるため、先ほどの水が入ったコップをテーブルの置く際の上腕二頭筋もそれに相当します。

運動療法を展開していく時になかなか難易度が高くなりやすい印象です。

 

運動様式の分類

 

先ほどの筋収縮とは異なり、運動の種類による分類になります。等張性収縮は、筋肉の発生する張力が一定であるような筋収縮の状態になります。

筋疲労や床反力など条件が異なるため、この状態は人体の収縮ではなかなか考えにくいものになります。

 

最後は等速性収縮になります。これは、筋肉の収縮速度が一定な状態を指しています。大学施設や研究施設で使う”サイベックス”などで筋力測定を行うことができます。

ここからはもう少し、筋収縮の違いについて細かく見ていきたいと思います。

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