今回のテーマは「大内転筋の機能と解剖」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・大内転筋の解剖と機能を知れる
・変形性膝関節症との関係性を知って臨床に活かせる
・明日から運動療法の役に立つ姿勢別エクササイズ

大内転筋ってどうですか?意外と知らないセラピストが多いのではないかと感じています。そして、いざ股関節内転筋のエクササイズを取り入れていこうとしても…

「エクササイズが思い浮かばない…」
「次のエクササイズは?」
「今のエクササイズは疼痛があって難しい…」
などとなかなか展開できないこともあります。

 

 

少しでも運動療法を苦手に思っているセラピストが、”得意”になれるようにと思っています!

 

股関節内転筋群

 

股関節内転筋群は、大内転筋を含めて恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋から構成される筋群の総称になります。健常の成人では、大腿部の筋群の体積の割合がおおよそわかっています。その中でも内転筋群は大腿部の約25%の筋肉量であると報告されています。

膝関節伸展筋群:約50%
膝関節屈曲筋群:約25%
股関節内転筋群:約25%

Akima H, Ushiyama J, Kubo J, Fukuoka H, Kanehisa H, Fukunaga T (2007) Efect of unloading on muscle volume with and without resistance training. Acta Astronaut 60:728–736

自分が思っている以上に”多い”と感じませんか?私はそのように思いました。というのは、多くの臨床の中で”股関節内転筋”にフォーカスすることはそこまで多くないと思います。

後ほど例にあげる変形性膝関節症では、反射性抑制が生じやすい内側広筋に着目することが多く、”股関節内転筋”は問題点として挙げるにしても治療アプローチの優先度は高くないことも多いです。

大腿部の体積の割合が、約1/4(25%)であれば、股関節運動において大きな影響力を生み出すことは容易に想像がつくと思います。

 

大内転筋

 

今回着目していく筋肉は、大内転筋です。恥骨枝・坐骨枝・坐骨結節から起始して大腿骨の粗線内側唇、大腿骨内側上顆に付着します。股関節内転筋群の中でも最も大きく、体積の63%を占めていると報告されています。

この報告から聞いても大内転筋の役割や機能が重要であると考えることができます。

解剖

起始自体が前方の恥骨・後方の坐骨結節、付着するのが内転筋結節であるため、大内転筋前部線維と大内転筋後部線維に分けることができます。

 

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