今回のテーマは「股関節の骨形態と関節安定化」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回は「股関節の骨形態と関節安定化」についてです。
股関節は高齢者にも若年者にも大きな役割がある関節であり、臨床においては腰部疾患やスポーツ疾患で障害部位に加えてみていくことがルーティーンになっています。
股関節の骨形態は個人差が大きく、これが関節の安定性や動作能力に大きく影響を及ぼすことがあります。例えば骨形態の異常は動作や姿勢に影響していきます。前捻角が大きくて動作中に膝が内側に入ってしまうknee inの動作が特徴的というような臨床ケースは多いかと思います。
まずはどのような骨形態の異常があるのかを理解して解剖学的特徴を捉えて、機能をしっかりと理解しておきましょう。
ということで股関節の理解を深めていきましょう!
では始めていきます!
大腿骨の骨形態
正常な頸体角
大腿骨は骨幹部と骨頭を結ぶ線の角度を示しており、骨頭がどのように寛骨臼と関節を形成しているかが把握できます。
頸体角といい、成人では120度から135度の範囲であり、年齢、性別、遺伝的要因などにより個人差があります。
角度自体が小さい場合は内反股であり、角度が大きい場合は外反股になります。
頸体角の異常
頸体角の特徴としては以下の通りです。
外反股では、大腿骨の頸体角が通常よりも増加している(通常より135度以上)ことが特徴です。関節中心の距離が短くなることでモーメントアームが減少して、通常よりも大きな収縮力が必要になります。
内反股では、大腿骨の頸体角が減少しています(通常より120度未満)。股関節が相対的に内転位に近づくため、膝同士が接触してしまうこともあります。通常よりもモーメントアームが増加して小さな収縮力で十分になります。しかし、その反面大腿骨頚部に負荷が加わりやすくなります。
前捻角
大腿骨頭は大腿骨遠位に対して前方に15°捻れていて、その角度を大腿骨前捻角といいます。女性の方が少しばかり角度が大きいとされていますし、生活習慣の影響も十分に考えられます。
この前捻角の影響で動作が変わってきます。骨関節・神経・筋肉は成長とともに変化してくるため、成長期は特に注意が必要です。knee inを常に生じさせるような動作をスポーツや習慣で行っている場合は、骨形態への変化も生じさせるのではないかと考えています。
小児期の大腿骨の形態
大腿骨の頸体角と前捻角は小児期からの変化を見ておきましょう。ここを知っておくことは非常に重要であり、どのように変化していくのかを理解しておきます。
頸体角は年齢が上がっていくとともに正常な範囲に近づいていきます。そのため大腿骨が未熟な状態(月齢およそ9ヶ月未満)で立たせてしまうと大腿骨頚部に大きな負担が加わってしまいます。
前捻角は徐々に角度が減少していきます。月齢が低い状態での股関節前捻角は大きな角度であるため、股関節外転・外旋させることで脱臼させないようにしています。
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