今回のテーマは「変形性膝関節症の運動療法10選」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・変形性膝関節症の病態を理解できる
・変形予防の考え方を把握できる
・exの引き出しが増える
・選択的なエクササイズが展開できる

今回の記事は『変形性膝関節症の運動療法』についてです。

変形性膝関節症は膝関節の治療アプローチの他にも股関節や足関節の治療展開が必要になる疾患でもあります。

というのは膝関節のストレスを軽減させるには、股関節や足関節の機能も必要であり、内側広筋だけの機能を向上させていてもなかなか改善することは難しいです。

ということで今回は変形性膝関節症へ展開できる運動療法を共有していきます。

では始めていきます!


変形性膝関節症の特徴

まず膝OAがどのように経過を辿っていくのかを考えていくと、最も考えやすいのが関節不安定性の出現です。

膝関節周囲筋力の低下や関節腫脹の出現、靭帯の張力低下などと関節安定化機構の破綻が始まり、次第に変形が進んでしまいます。

膝OA患者のグレードによって関節動揺性があり、初期のグレードであれば前後の動揺性、中期から重度の変形であれば側方動揺性があります。側方の動揺性の出現は、膝関節のメカニカルストレスを増やします。

姿勢アライメント

膝OA患者に特徴的な姿勢アライメントがあります。今回は内側型膝OAをイメージしてください。

腰椎前弯減少
骨盤後傾位
股関節屈曲・外転・外旋
膝関節伸展制限
下腿外旋位
扁平足

どれもが当てはまるということではないですが、膝関節の変形が強まるほどに膝関節伸展制限が出現して、徐々に屈曲拘縮が強くなっていきます。

そして立位アライメントと身体的な機能には関連があります。股関節伸展制限によって膝関節伸展制限をもたらすこともあり、骨盤後傾位であれば臀筋の筋力低下も生じてしまいます。

膝へのストレス

内側型膝OAではlateral thrustのような膝関節を外側へ動かすモーメントが働きます。

FTAが大きくなれば踵骨外反角度も増加する

下肢アライメントと距骨下関節の動き (第5報) -変形性膝関節症症例の距踵部角-

よく考えられる考察としては、後足部回内(踵骨外反)は膝関節内側ストレスを軽減させる反応や姿勢制御系であることです。

足関節の介入時に後足部回内に対しては評価を十分に行なった上で慎重に進めていく必要があります。

内反変形のメカニズム

膝OAの内反変形のメカニズムとしては以下のように考えられます。

立脚初期の膝関節不安定性

Lateral thrust

内反ストレスの増大

内反変形

足部回内によるモーメントの打ち消し

立脚初期時の膝関節不安定性は、内側広筋の筋力低下、腫脹の出現、膝関節伸展制限などが組み合わさり、膝関節屈曲で接地することで靭帯性制御ができずに側方への動揺が生じてしまいます。

踵接地で内側広筋の予測的な制御が必要になる

と報告されており、内側広筋の機能低下は膝関節完全伸展位を生み出すのが難しくなってしまいます。

この辺りの考え方は各患者の特徴によって異なってきます。

KAM(外部膝関節内反モーメント)

膝OAの中でも攻略しておきたいのがKAMです。今回はKAMの説明は省略しますが、KAMを減少させることが変形予防でもあり治療アプローチでもあります。

膝OAの治療アプローチ

ここからは変形性膝関節症の治療アプローチです。

さまざまの項目があり、どれもが重要な内容であり因子でもあります。

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