今回のテーマは「大殿筋・中殿筋の運動療法-エクササイズ方法10選-」になります。

こちらの記事を最後まで見ると

大殿筋と中殿筋エクササイズの引き出しが増える

増えることで患者やクライアントの症状・状態に合わせて提供しやすい

治療・処方の幅が広がる

信頼関係の構築ができる

 

大殿筋と中殿筋は、非常に重要な筋肉であることは言うまでもないと思います。

 

大殿筋が筋力低下すると...

中殿筋が筋力低下すると...

 

このように筋力低下・機能低下があった時にどのような運動療法・エクササイズを展開していくのか?

 

運動療法のバリエーションがあることは、患者の特徴や疼痛の有無などによって、提供するエクササイズを変えていくことができます。

 

では始めていきます!

 

大殿筋の機能解剖

 

大殿筋は中殿筋と小殿筋とともに殿筋群を形成している筋肉になります。

 

 

大殿筋の走行によって線維が分かれてます.運動軸となる股関節中心よりも上方の線維は股関節外転に作用、下方の線維は股関節内転に作用します。

大殿筋上部→股関節外転位
大殿筋下部→股関節内転位

大殿筋全体で見てみると作用としては、股関節伸展+外旋になります。

 

中殿筋の機能解剖

 

中殿筋は前部線維と後部線維に分かれます。それぞれの機能としては、

中殿筋前部線維→股関節屈曲・内旋
中殿筋後部線維→股関節伸展・外旋

 

殿筋群の機能

 

殿筋群の機能としてはいろいろ考えられますが、主な機能としては2つ挙げられます。

①片脚立位の骨盤安定性
②大腿骨内旋・内転のコントロール(knee inの制御)

①大殿筋は中殿筋と筋連結しており、大殿筋上部線維も股関節外転作用を有しています。中殿筋は股関節外転筋として重要な筋肉になります。大殿筋・中殿筋は、片脚立位で生じる股関節内転モーメントに対して外転作用を生み出してくれます。

②大腿骨内旋・内転が生じないように股関節外転・外旋作用を持った筋肉の活性化が必要になってきます。ここで言うと大殿筋・中殿筋後部線維に当たります。

段階的な大殿筋エクササイズ

 

上記の表は、大殿筋の段階的な活性化方法になります。筋力増強には40〜60%程度の筋活動量が必要になってきますが、いきなり高強度のエクササイズを行なっていくのは疼痛のリスクがあり、高強度のエクササイズだけ行なって行けばいいものではないと考えています。

と言うのは、

大殿筋の収縮力が必要になる場面は、低い筋活動量の場合もあれば、高い筋活動量の場面もあると思います。歩行時や仙腸関節を安定させる場合に低い筋活動量が必要になり、スプリントやジャンプの時には高い筋活動量が必要になります。

収縮するべき環境(ここで言う姿勢)を変えて、大殿筋エクササイズを行なって行きましょう。

 

 

モンスタウォークexは最大随意性収縮の約4%程度の大殿筋エクササイズになります。

方法は、

①バンドを膝に巻く
②クォータースクワット(軽度屈曲位)になる
③歩隔を保ったまま(バンドを伸張させたまま)歩く

オプションとしては下記があります。

○屈曲角度を増やしてknee bent walkにする
○バンドの位置を足関節にする
○歩く方向を前後・左右行う

※このエクササイズの注意点は、『knee in』が生じないようにしましょう。脛骨が内方に傾斜する動きが起きやすいので、バンドの負荷を増やしたりしてコントロールしましょう。

 

クラムシェル(股関節屈曲60°・骨盤ニュートラル)は、最大随意性収縮の約23%と中程度の大殿筋エクササイズになります。

方法は、

①骨盤を正中位に保持する
②股関節屈曲角度を60°にする
③股関節を外旋させる

オプションとしては下記があります。

○バンドを膝に巻く
○股関節屈曲角度を増やす

このエクササイズのポイントは、最大外旋角度まで収縮を行うことです。バンド負荷を高くして、中途半端な角度でエクササイズしてしまうケースが多いので注意しましょう。

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