今回のテーマは「頭部前方位姿勢(FHP)に対する6つの運動療法の展開」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・頭部前方位姿勢の特徴を理解できる
・上位交差性症候群への運動療法が展開できる
・多角的な視点で展開できる
・患者に合わせた運動療法が展開できる

今回は「頭部前方位姿勢の運動療法」について共有していきます。

頭部前方位姿勢はFHPと言って、高齢者の患者を対応しているセラピストであれば必ず臨床で経験する病態です。

「頭が前方に位置している」
「胸椎が後弯している」

とさまざまな要因によってフォワードヘッドポスチャーが構築されています。

そこまで運動療法を考えて治療を実施できるのであれば、今回の運動療法の展開は少しテイストの違った運動療法になると思います。ワンエッセンスとしてここから先を見てもらえればと思います。

FHPの理解を深めて運動療法への展開に役立てましょう!
では始めていきます!


頭部前方位姿勢の特徴

フォワードヘッドポスチャーは、上位頸椎伸展・中下位頸椎屈曲・胸椎後弯している姿勢であり、矢状面から確認すると頭頸部が前方に位置している姿勢を指します。

頸部疾患を担当するとほとんどのケースで確認できることが多いです。頸椎症や頸椎症性神経根性のように退行変性疾患では、頭部の位置によるアライメントの変化が症状に関与することが臨床でも多く経験します。

頚椎の運動学

頚椎の運動学では上位・中下位頚椎に分けることができます。

C0/1:環椎後頭関節
C1/2:正中・外側環軸関節
C2-7:椎間関節

上位頚椎の屈曲伸展・中下位頚椎の屈曲伸展と複合的な屈曲進展では動き自体が異なってきます。特に運動療法を展開するときに、上位頚椎の動きの改善を目的としたエクササイズもあり、違いを理解しておくことが重要です。

姿勢アライメントの影響

頭部前方位姿勢と異常姿勢、いわゆるアライメント異常の関連が報告されています。

頭部前方位姿勢
肩前方変位
胸椎後弯

頭部前方位姿勢
→重心線より頭部が前方に位置する
上腕骨頭前方変位
→上腕骨頭の1/3以上が肩峰から前方に位置する

臨床でもそれぞれのアライメント異常が観察できる患者がいると思いますし、頭頸部だけの治療を行なったからFHPが改善するという訳ではないことがわかります。

頭頸部のアライメントを正常化していくには肩関節や胸椎のアライメントも同時にアプローチをしていく必要性が高く、症状の軽減を早期に図っていくには必ず行なった方が良いと考えています。

やはりここで押さえておくべきポイントは…

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