今回のテーマは「呼吸と胸郭-体幹筋との関係と呼吸パターン-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと

・呼吸時の胸郭の動きを把握できる
・体幹筋との関係が理解できる
・異常な呼吸パターンを評価できる
・理解して運動療法に応用できる

今回の記事は『呼吸と胸郭』についてです。

呼吸は生命維持に不可欠な機能であり、呼吸と体幹筋機能との関連もよく言われています。特に腰痛患者であれば体幹筋機能改善を狙っていき、治療アプローチを進めていきます。

その場合に"呼吸"の状態を評価・確認して、呼吸自体のアプローチを行い、リハビリとして実施する方も多いと思います。

呼吸エクササイズを行う理由としては、私は主に3つあると考えています。
①腰痛患者の体幹エクササイズとして
②姿勢コントロールのエクササイズとして
③疼痛軽減させる方法として

私の経験則ですが、腰痛患者の呼吸は異常な呼吸パターンであることが多く、異常姿勢を伴っているケースが多いです。私自身が新人セラピストのように経験が浅い時には…

どの呼吸が異常なのか?

呼吸と姿勢がどのように関係しているのか?

どの部分にアプローチしていけばいいのか?

呼吸と胸郭の着眼点はどこ?

このように考えていましたし、悩みもありました。

解剖学であったり、呼吸と体幹筋の関係性を把握することで着眼点を網羅でき、呼吸に対するアプローチを行い、腰痛を軽減させることもできました!そのため、基本的である呼吸と胸郭の関係性を体幹筋を中心に紐解いていきましょう!

では始めていきます!


呼吸時の胸郭の動き

呼吸運動は無意識下でコントロールされていて、呼吸筋が収縮することで肺に空気が入り、換気が行われます。加えて随意的な調節も可能であるため、リハビリとしても意識的な修正が可能になります。

呼吸時の胸郭の動きとしては、肋骨を前上方に持ち上げて胸郭の前後径を広げます。

呼吸中枢があり、末梢からの感覚情報をもとにして横隔膜を収縮させます。横隔膜を下降させて胸腔を広げることで肺に空気が入ります。呼吸時の際に胸郭を広げて胸腔をさらに大きくします。

ここでのポイントは、
・呼吸調節は受容器と呼吸中枢による
肋骨運動は上位と下位で異なる

2つの胸郭運動

まず基本的な内容になりますが、上位肋骨と下位肋骨では動きが異なり、リハビリをアプローチも変わってきます。違いを把握しておかないと適切なアプローチができなくなり、疼痛が軽減しないことも多くあると思います。

上位肋骨:pump-handle motion
下位肋骨:bucket-handle motion

上位肋骨の運動軸は前額面に近いため、矢状面方向の拡大するように肋骨が動きます。反対に下位肋骨の運動軸は矢状面に近いため、水平方向の拡大するように肋骨が動きます。また上位肋骨は胸骨に付着・関節を形成していて可動性が少ないのが特徴です。下位肋骨は肋軟骨に付着していて可動性に優れており、軟部組織の影響も受けやすいのが特徴です。

呼吸筋の分類

呼吸筋は上図の5つに分類されると報告されています。

①横隔膜
②肋間筋および胸壁の筋
③腹筋群
④呼吸補助筋
⑤上気道の筋

それぞれの筋肉について詳しく見ていきます。

内肋間筋・外肋間筋

肋間筋は内肋間筋と外肋間筋があり、それぞれ機能が異なります。(線維別によっても異なるから注意が必要)

呼吸に関する筋肉であり、吸気と呼気に活動します。

もう少し詳しくそれぞれの筋肉を共有していくと…

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