今回のテーマは「どうやって対応していく?膝内反モーメント-関節モーメントの考え方-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今日は「膝関節内反モーメント」について共有していきます。
まずモーメントについての理解はどうでしょうか?意外と苦手意識を持っている人が多いと思いますし、「…学ばなくていいや」と考えている方も少なくないと思います。
しかし、病態理解にはバイオメカニクス的な考え方が必要になりますし、関節の負荷を把握しておかないと運動療法の設定ができなくなってしまいます。
モーメントは高校生で触れる物理学の内容になりますが、回転力を示しています。そして膝関節内反モーメントは、膝関節を内反方向に誘導する力が働くことになります。
それでは始めていきます!
膝関節内反モーメント
まず膝関節内反モーメントは、KAMとも言われます。
KAMって知っていますか?
ここでKAMについて知らない人がほとんどではないでしょうか?
膝関節、特に症例数の多い変形性膝関節症の理解には、KAMの理解は欠かせません。ここでしっかりと知識を身につけておきましょう。
KAMは外部膝関節内反モーメントとも言いますが、ここでポイントになるにが"外部"になります。
ここでモーメントをよく知らない人を置いてけぼりにしないように関節モーメントについて話を進めていきますね。
関節モーメントの考え方
先ほども言ったように、関節モーメントは動かそう・回転させようと関節に加わる力を指しています。
画像のスクワット姿勢を見ていきましょう。あえてエラー動作が生じているスクワットですが、まず最初は重心により膝関節屈曲モーメントが生じます。そのままでは殿部が地面についてしまうように膝が屈曲し続けてしまいます。
そのために拮抗する筋肉の収縮力や靭帯が生み出すモーメントが働きます。
これを順に表していくと…
重心線による膝関節屈曲モーメント
↓
拮抗のための膝関節伸展モーメント
これを理解しておくと外部と内部の違いを理解することができます。
外部と内部モーメントの違い
先ほどのモーメントを外部と内部モーメントに分けていきます。
今回のスクワット姿勢の保持で言うと外部膝関節屈曲モーメントと内部膝関節伸展モーメントが釣り合うことで、姿勢を保持することができます。
外部と内部を別々に理解しておきましょう。病態把握や運動療法の時にこの考え方が重要になります。
KAMの大きさ(膝に加わる負荷量)
KAMの大きさ、すなわち膝関節に加わる負荷量は、前額面レバーアームの長さと床反力の大きさの積によって推定できます。
実際の臨床の場面では、このように考えていくのは難しいと思うので
を考えていくといいかと思います。
歩行周期における対応方法
ここでモーメントを理解していくと実際の臨床、特に歩行に落とし込んでいく必要があります。1つの歩行周期における膝関節内反モーメントの負荷量は、歩数や時間が長くなればより負担がかかることがわかります。
そのために歩行周期における修正方法が、日常生活指導として有効になります。
ではどのような内容・修正方法が有効的なのでしょうか?
それぞれの項目を歩行周期別に記載してあります。そして、有効度合いをレビュー数で分けてあります。
では、歩行周期別に細かく見ていき、ではもう少し詳しく解説をしていきますが…
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