今回のテーマは「前鋸筋を活性化させたい-エクササイズと注意点-」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回の記事は「前鋸筋」についてです。
前鋸筋は肩甲骨安定筋として重要な筋肉であり、肩関節患者の前鋸筋こそ運動療法が必要になってくる部分だと思います。
まずはその前鋸筋の機能やどのような運動療法・エクササイズがいいのかを共有していきたいと思います。
では始めていきます!
前鋸筋
解剖
胸郭と肩甲骨の間に位置する筋肉の一つです。その名前は、鋸(のこぎり)のような形状をしていることから付けられました。
3つの線維束から構成されていて、それぞれの機能が変わってきます。
第1肋骨から第9肋骨まで付着していて、縦方向に大きい筋肉になっています。
基本的には第1ー9肋骨に付着していますが、バリエーションが存在することがわかっています。
・第1肋骨に付着しない
・第10肋骨に付着する
機能
上部線維:アンカーとして機能、回転安定性
中部線維:肩甲骨外転、菱形筋と連結
下部線維:上方回旋・後傾など、外腹斜筋と連結
前鋸筋が活動することで肩甲骨を胸郭に引き寄せ、上腕骨がどのような動きをしても肩甲骨が安定して追従できるようにしています。
肩甲帯周囲の筋肉は他にも連結する筋肉があり、前鋸筋の機能を維持していくには菱形筋や外腹斜筋の機能も重要になってくると思います。
翼状肩甲
前鋸筋の機能低下が起きてしまうと"翼状肩甲"が生じることは多くのセラピストがわかっています。この翼状肩甲というのは、肩甲骨異常運動の一つのパターンであり、前鋸筋の機能低下が疑われます。
肩甲骨異常運動は4つのパターンがあり、正常な運動学から逸脱した異常パターンから評価を行います。
翼状肩甲は肩関節動作時に、肩甲骨内側縁が浮き上がってしまい、肩甲骨を胸郭に固定できていないことを示しています。徒手操作時に肩甲骨内側縁を胸郭に押し付けるように固定した時に、疼痛の軽減や筋力増加の所見が確認できると前鋸筋の機能低下の可能性があります。
筋バランス
肩甲骨異常運動が確認できるような患者は、肩関節周囲の筋バランスが悪いケースがあります。
・僧帽筋上部の過活動
・前鋸筋の機能低下
肩関節動作時に僧帽筋上部が勝手に活動すれば、肩甲骨挙上が生じてしまうこともあります。肩甲骨の挙上は異常運動のパターンに含まれます。
また前鋸筋の機能低下は、肩甲骨の後傾や上方回旋の減少が生じてしまい、関節構成体へのストレスがかかる要因にもなってしまいます。
臨床との関連
インピンジメント
臨床では、肩峰下インピンジメント症候群との関連があります。肩峰下インピンジメント症候群(SIS)では、前鋸筋の等尺性筋力が低下しています。他にも僧帽筋中部・下部の筋力も低下しているため、肩甲骨安定性が低いことが推察できます。
前鋸筋の機能低下は肩甲骨の後傾が生じにくく、上腕骨大結節が肩峰を通る際にインピンジメントが生じやすくなります。
エクササイズ方法
では前鋸筋の運動療法・エクササイズをどのように展開をしていけばいいのか?
この辺りの理解を深めていくことで肩関節患者に対する前鋸筋エクササイズが自信を持って提供できると思います。
では推奨されているエクササイズとは...
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