
はじめに
中殿筋を評価するときに筋力の強さだけを見ると歩行で起きる崩れを見逃します。立脚では接地してから骨盤を支えるまでの時間が短く、出力が十分でも立ち上がりが遅いと骨盤は先に落ちます。今日の軸は筋力低下ではなく発火タイミングです。側臥位で外転筋力が出る人でも、歩行の一歩では状況が変わります。
立脚の崩れは発火遅延で起きる。ここでは、強さより間に合うかという現象を、評価と再テストの順番まで落として考えます。

この記事では、中殿筋遅延発火と立脚安定性を局所所見だけでなく、荷重条件、運動連鎖、代償動作の変化から見ていきます。医学用語は普通に使います。ただ、話の着地はシンプルです。「で、明日の臨床ではどこを見るの?」まで落とします。
強いのに崩れる理由

歩行では出力の開始時刻が問われる。側臥位で外転筋力が出る人でも、歩行の一歩では状況が変わります。支持脚へ体重が乗る瞬間に骨盤を受け止める準備が遅れると、立脚中期で骨盤と大腿が後追いになります。最大筋力ではなく開始時刻を見る視点が必要です。ここでは、接地直後の準備、立脚中期の骨盤保持、蹴り出し前の再安定あたりを順番に見ます。言い換えると、症状を消しにいく前に、症状が出る条件を少しだけ動かしてみる段階です。