
頸椎伸展代償と胸椎屈曲姿勢
上を向くと首の後ろが詰まる。あるいは、上方視の可動域は出ているのに、動作のたびに後頸部へ負担が集まる。

このような場面で、頸椎伸展の角度だけを見てしまうと、臨床判断が首の中だけで完結しやすくなります。もちろん頸椎そのものの可動性や疼痛は確認すべきです。ただ、座位で背中が丸まり、胸郭が起きにくい状態のまま視線だけを上げようとすると、不足した動きを頸椎伸展で補うことがあります。
つまり問題は「首が反れるか」だけではありません。上方視という一つの動作の中で、骨盤、胸椎、頸椎、眼球運動がどのように分担しているかを見る必要があります。
この記事では、胸椎屈曲姿勢を背景にした頸椎伸展代償を、明日の臨床で使いやすい評価の流れとして整理します。
上方視を首だけで判断しない

上を見る動作では、見かけ上の視線角度だけなら頸椎伸展で作ることができます。患者さん本人も「一応、上は向けます」と表現するかもしれません。しかし、その動作が胸椎屈曲の上で作られている場合、後頸部には圧縮感や緊張が出やすくなります。
ここで大切なのは、上方視を「できる・できない」で終わらせないことです。