投球動作における胸郭回旋制限と肩水平外転代償

はじめに

投球準備で腕が後ろに引けて見えると、肩の柔軟性があるように見えます。しかし胸郭が回らないまま肩だけで後ろへ開いている場合、見た目の角度は代償です。最初に見るべきなのは肩の可動域の大きさではなく、胸郭回旋がどれだけ角度を作っているかです。肩水平外転の角度だけを測ると、代償で稼いだ可動域を良い動きとして扱ってしまいます。

肩が開く前に胸郭を見る。ただ、肩だけで後ろへ引かないという一言だけで済ませると、評価の入口が狭くなります。

この記事では、胸郭回旋制限と肩水平外転代償を局所の所見だけでなく、荷重条件、運動連鎖、代償動作の変化から整理します。医学用語は使いますが、目的はシンプルです。明日の臨床で、どこを見て、何を再テストするかを決めやすくすることです。

水平外転の落とし穴

可動域では代償を見抜けない。肩水平外転の角度だけを測ると、代償で稼いだ可動域を良い動きとして扱ってしまいます。臨床では角度の量より、どの関節がその角度を担当しているかを見ます。胸郭が動かず肩だけで開くなら、同じ角度でも意味は変わります。見かけの可動域は、肩だけが後方へ逃げて大きく見える。分担された可動域は、胸郭回旋と肩甲帯運動で余裕が出る。この確認を入れると、最初に触る場所と最後に再テストする動作がつながります。

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