
はじめに
膝蓋大腿関節痛を見ると、つい膝蓋骨の位置や大腿四頭筋だけに目が向きます。
こういうテーマでは、つい目立つ部位や一番わかりやすい所見だけを追いたくなります。もちろん局所評価は必要です。そこは飛ばせません。ただ臨床では、局所だけを犯人にすると、少し話が雑になることがあります。
背景には、関節可動域、筋・筋膜系の伸張性、神経伸張ストレス、運動制御、代償動作などが重なっています。見えている現象は一つでも、原因は一つとは限りません。

この記事では、膝蓋大腿関節痛と大腿骨内旋を医学用語を使いながら整理しつつ、現場でそのまま使いやすいように少し噛み砕いて解説します。硬めの解剖・運動学の話と、臨床での「これ、よくありますよね」という感覚を行き来しながら見ていきます。
痛いのは膝でも
ここでのポイントは、原因は膝だけとは限らないという点です。

もう少し臨床的に言うと、荷重で運動連鎖を見るという見方になります。膝前面痛、運動連鎖といった用語は、単なる言葉の整理ではなく、評価の順番を決めるための手がかりになります。症状の場所は膝前面でも、動作の入口は股関節や足部かもしれません。特に荷重下で股関節内転や大腿骨内旋が強くなると、膝蓋骨と大腿骨の相対位置が変わり、PF関節への負荷が増えやすくなります。痛い場所と崩れている場所を分けて見ることが重要です。評価では、痛みは膝前面に出る、動きは股関節から崩れる、膝蓋骨トラッキングが乱れる、PFストレスが増えるを順に確認します。ここを分けて見ないと、介入の入口が少しズレます。